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時計職人のプライド。

新着情報 青年部会

2018.09.20


【部会長ブログ】
皆様お疲れ様です!
時間を刻み、その時そのときで必要な情報をしっかりと伝えてくれる時計は、日頃何気ない存在ですが、実はとてもありがたい存在ですよね。
特に壁掛時計は、いつも有る所に無意識に目がいってしまうくらい重要な役割を果たしてくれていると思っています。
僕たちの会社の、現在の事務所を建てたのが12年前。
その時に、事務所の雰囲気に合うようにと探しにさがしてやっと見つけた大切な壁掛時計が壊れてしまいました。
12年も経っているのだから、そろそろ買い替え時かなと思って、ここのところ探していたのですが、やはり今のものを超えるデザインの時計に出会えません。
そこで、修理をと思ってバラしてみたのですが、中の部品が壊れていて、部品がないとどうしようもない状況でした。
買ったところに問い合わせると、すでに部品は製造していなくて、修理不可能だというのです。
壁掛時計は、5~10年くらい経つと壊れるものが多く(安物に限ってでしょうが)部品も在庫を置かないメーカーが多いのだそうです。(買い替えたほうが良いってことでしょうね)
それでも諦めきれず、地元で知る人ぞ知る超ベテランの時計職人さんのところに持ち込んでみました。
ダメもとで。
すると
「あー、直りますよ。5000円で1週間くらい時間もらっていいですか?」
!!!!!!!!!
マジですか?(驚愕)
ほぼ、即答での「直りますよ」
この言葉が、ものすごく嬉しかったので、鳥肌が立ちました。
5000円が高いか安いかは、その時計に対する思い入れの違いで人それぞれあると思います。
ですが、僕にとっては唯一無二の時計なので、格安に感じました。
それより、何より
修理できますよ、直りますよ!って言える職人さんが凄いなと。
部品は代替品を使うので、多少加工は必要だけど直せるとのことでした。
「かっこいい!」
素直にそう思えました。
新たに物を創造して、形に残る仕事も素晴らしいと思いますが、やはり修理の仕事ってかっこいいです。
そして「何とかする」工夫と想像力。「直るよ」と即答するには、きっと想像を絶する知識と経験が必要なのだと思います。
本当に嬉しかったですね。
今も、時計がない場所に無意識に目がいってしまいますが、1週間後には直った時計が元通りに時を刻んでくれます。
僕たちの仕事も、そうした喜びをお客様に与えることが出来る素晴らしいものだと思います。
ひとつひとつの仕事の裏に、お客様の物語がある。
そこに応えられる喜びを、多くの職人さんに肌で感じて欲しいと思いました。
1週間語が楽しみです!!!