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職人とは3。

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2018.08.14


【部会長ブログ】
皆様お疲れ様です。
毎日暑いですね(汗)久しぶりに自宅でゆっくりできているので、庭の手入れでもと思うのですが、こう暑いとなかなか着手できません(汗)
さて、今日も鵤工舎(いかるがこうしゃ)の小川三夫さんの言葉を引用して、ブログを書いてみようと思います。
連日書いておりますが、改めて鵤工舎のことを書いておきますと、徒弟制度の宮大工養成企業のようなところです。
一人前になると、積極的に独立を支援されているような企業です。
そんな会社を率いている小川三夫さんは、こんなことをおっしゃっておられます。
「軽い「げんのう」で数を打て」
宮大工には「軽い『げんのう』で数を打て」という言葉がある。くぎは何度も打たれて入っていくから摩擦が生まれて抜けない。
機械で一瞬にして打ったくぎは一つの抵抗しか受けていないからすぐに抜ける。
道具は人間がものづくりをするための腕の延長だ。手の力を用い、手の技術で使いこなすものを「手道具」という。今の時代は手の力で動かさず、電気の力で動かす仕事が多い。
手の動きを失った技術からは職人の技は生まれにくい。手道具を十分に使いこなした人が電気道具を使えば、120%の性能を発揮する。
電気道具だけで仕事を覚えたら、80%ぐらいしか性能を発揮しないだろう。それは原理が分かっていないからだ。
とても深い言葉だと思います。
どれだけ便利な道具があれど、基本が出来ていなければ、その便利な道具さえ性能を十分に発揮することはできない。ということですよね。
便利な時短に繋がる道具がたくさん世に溢れる現代において、そこへのこだわりを欠いている企業は増えてしまっているかもしれません。
そこそこの仕上がり。
そこそこの見栄え。
そこそこのこだわり。
若い世代への技術の伝承にかける手間を惜しむと、取り返しのつかないことになりかねません。
今は見えずとも、やがてやってくる緩やかな危機。
どれだけ便利になろうとも、大切なことは変わっていないのかもしれません。
技術力で勝ち残る。うちは他社とは違う。という方向性であれば、間違いなく今一度見直してみる価値がありそうですね。