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職人とは。

新着情報 青年部会

2018.08.12


【部会長ブログ】
皆様お疲れ様です!
昨日、ブログに書いた鵤工舎(いかるがこうしゃ)の小川三夫(おがわみつお)さんのことをもう少し書いてみようと思います。
小川三夫さんは法隆寺の「昭和の大修理」を指揮した伝説の宮大工・西岡常一の唯一の内弟子となり、今や寺社建築の第一人者と呼ばれているそうです。
西岡常一さんは法隆寺専属の宮大工。その業界では伝説の宮大工と言われています。その宮岡さんの唯一の内弟子である小川さんは、まさに生きる伝説なのだと思います。
「これから一年は刃物研ぎだけをしろ。」
手取り足取り教えてもらったことは一度もないそうで、ただ一度だけ西岡棟梁がかんなを引いて手本を示してくれたことがあるそうです。
かんなくずは向こうが透けて見えた。そういうかんなくずが出るまで、研いでは削る、研いでは削るを繰り返した。最近になって刃物研ぎを1年やり続けた意味が分かった。と、おっしゃっています。
「切れる刃物はうそをつかない」ということだ。昔は職人の仕事を「ばかではできず、利口ではできず、中途半端ではなおできず」と表現した。それほどに職人とは難しい仕事。
下手は下手、上手は上手。言い訳しても通じない世界だから、真面目でひたむきな生き方をしないと人の心を打つような仕事はできない。
それを学ぶのが修行だ。。。
僕たちの業界も、職人を育てる業界です。ですが、ここまで技にこだわりを持ち、育てることに時間をかけられる会社がどれだけあるでしょう。。
出来るだけ早く戦力になれば。そう考えて、技術の伝承をないがしろにしてきてしまっているかもしれません。
これからの時代。そこまでの技術を必要とされるのか。そのこだわりを対価に変えることが出来るのか。
難しい問題かもしれません。
ですが、中途半端は今までの歴史を見ても必ず淘汰されていきます。なにか、特筆すべきものがないと。
うちは、これがある!これだけはこだわる!うちの会社といえば、これだ!
そうした明確な付加価値が提供できるような戦略を見出したいものですよね。
いわんや、技術力は必要です。技術の伝承について、今一度しっかりと考えてみます。