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令和8年 年頭所感

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2026.03.05

年頭所感

 

日本自動車車体整備協同組合連合会

会 長  小倉 龍一

 

新年あけましておめでとうございます。

令和8年の新春を迎えるに当たり、所感の一端を述べ、新年のご挨拶に代えさせていただきます。昨年(令和7年)を振り返りますと、自動車車体整備業界にとって大きな転換点となる一年でありました。国土交通省による自動車整備事業の規制見直しが施行され、スキャンツールの整備要件化、電子点検整備記録簿の導入、オンライン講習の解禁など、制度面での大きな変化が一気に進んだ年でもあります。これらの改正は、電動車・自動運転車・先進安全装備車の普及に対応し、今後の車体整備事業者に求められる技術・設備・働き方を大きく変えるものであります。

また、事故車修理における適正な価格交渉の促進が国の施策として明確に示され、適正な整備料金の確保、ひいては自動車整備士の賃金水準の向上に向けた取り組みが進展したことも特筆すべき動きであります。長年、現場が抱えてきた「過度な値引き」「労務費転嫁の困難さ」といった構造的課題の是正に向けて、ようやく追い風が吹き始めた一年でありました。

他方で、自動車整備士の不足、高齢化の進行、最新設備導入の負担増といった課題は依然として重く、特に中小零細事業者にとっては、技術高度化への対応が生き残りのための重要テーマとなっております。EV・自動運転車・ADAS等の普及により、自動車車体整備はもはや「板金・塗装」だけで完結しない時代となり、電子制御装置の理解や高度な測定・校正作業が不可欠となっています。こうした変化に対応するための教育体制や研修の充実は、当連合会としても優先して取り組むべき課題であります。

一方、昨年は補助制度の対象に塗装ブース等が追加されるなど、現場の省力化・設備更新を後押しする公的支援も拡充されました。業界全体が「次世代の自動車整備業」へとステップアップするための環境が徐々に整ってきております。当連合会としても、制度情報の迅速な提供や、所属員(組合員)の皆様の設備投資・人材育成を支援する取り組みをさらに強化してまいります。

令和8年は、こうした制度変革を業界発展の好機と捉え、「安心・安全なモビリティ社会を支える基盤としての自動車車体整備業」の価値を一層高める年としたいと考えております。

そのためにも、関係行政機関や自動車関係団体との連携を深め、適正な整備環境と持続可能な事業基盤の構築に向け、積極的に政策提言を行ってまいります。

 

自動車産業における100年に一度の大変革に対応するため、国土交通省、一般社団法人日本自動車車体補修協会及び弊会から構成される「車体整備の高度化・活性化に向けた勉強会」における「平成28年度中間とりまとめ」より提言された「先進安全自動車対応優良車体整備事業者」は、先進安全自動車の構造・機能を安全かつ正確に整備できる事業場を日車協連が認定しカーユーザーへの見える化を促進し、引き続き自動車車体整備の安全安心をアピールしてまいります。また、認定工場を核とした地域の自動車車体整備事業者の連携や協業化を見据えたネットワーク化を構築し、慢性的な自動車整備士の人材不足で大掛かりな自動車車体整備の対応が難しい事業場の代替え対応や電子デバイスや超高張力鋼板の修理や整備に対応した事業場の設備、工具などの投資が最小限になるような施策をして地域と車体整備業界の活性化を図ってまいります。また、令和5年に明るみになった大手自動車整備業者による保険金の水増し請求などの、整備をめぐる不祥事により、自動車整備業界に対して世間から厳しい目が向けられています。当連合会においては、前述の「先進安全自動車対応優良車体整備事業者」の認証取得の促進に加え、コンプライアンス・チェックシートを活用し管理体制の構築、強化に努め、カーユーザーの信頼回復に繋げてまいります。

令和6年に開始した、事故車修理にかかる工賃引上げについての保険会社との団体協約の締結に向けた交渉は、6月の総会を以て令和7年度の単価の協定を結ぶことができました。令和7年以降も引き続き交渉を行ってまいります。

経営委員会では、「先進安全自動車対応優良車体整備事業者」認定工場1000事業場を目指して周知・啓蒙活動を続けてまいります。また、「優良自動車塗装工場」「自動車車体整備推奨工場」についても組合員の取得を促進してまいります。

教育委員会では、「高度化車体整備技能講習」を年度ごとにテーマを定め、自動車車体整備士の再教育プログラムとして自動車車体整備に対応した知識や技能のスキルアップを目的として、3000人受講を目標に啓蒙してまいります。令和8年度は「軽鈑金」と「技術継承」をテーマに実施予定です。また、整備主任者技術(実習)講習を当連合会で行えるようになったこともあり、全国の自動車車体整備協同組合でこれを開催できるよう周知・啓蒙してまいります。

技術委員会では、日車協連独自の塗装工数を作成するべく、実車を用いた検証作業、工数表作成、外部専門家との協議を行います。適正な作業工数を作成し、修理を算出することによって組合員の収益の改善、人材確保に繋げていきたいと思っています。

調査研究委員会ではレバーレート、廃棄物、材料代の3つのテーマを掲げ調査研究に取り組んでまいります。また、技術委員会と連携して工数の検証に参画しています。

広報委員会では、日車協連ホームページや日車協連WEBニュースをより充実させ、連合会としての活動内容や業界の動向をステークホルダーに発信してまいります。また、DX化の取り組みとしてSNSを活用して内外へ情報を発信します。

これらの課題を推進していくために、各委員会の活動を活発化させるとともに、会員所属組合員の皆様の当連合会の事業活動へのご理解とご協力を賜りますようお願いいたします。

最後に、新しい年が皆様にとって希望に満ちた素晴らしい一年になりますよう、お祈り申し上げます。


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