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年頭所感

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2024.01.04

 新年あけましておめでとうございます。

 令和6年の新春を迎えるに当たり、所感の一端を述べ、新年のご挨拶に代えさせていただきます。
数年続く新型コロナウイルスの感染拡大は幾分か翳りが見えてきたものの、予断を許さぬ状況であることは変わっておりません。また、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に端を発した原材料の高騰、エネルギー価格の上昇、円安の進展は自動車業界のみならず日本経済へ影響を与え続けています。
 自動車業界としては、先進技術を使用した安全運転を支援するシステムや自動運行装置の開発等、急速に技術革新が進んでおり、電子制御装置整備を含めた特定整備認証への対応が重要課題となっています。また、令和5年1月から車検証の電子化、今年10月から本格始動となるOBD検査のプレ運用も始まっています。業界全体でデジタル化が急務となっており、自動車車体整備業としてもデジタル化への対応は必須課題となっています。
 自動車産業における100 年に一度の大変革に対応するため、国土交通省、一般社団法人日本自動車車体補修協会及び弊会から構成される「車体整備の高度化・活性化に向けた勉強会」における「平成28年度中間とりまとめ」より提言された「先進安全自動車対応優良車体整備事業者」は、先進安全自動車の構造・機能を安全かつ正確に整備できる事業場を日車協連が認定しカーユーザーへの見える化を促進し、自動車車体整備の安全安心をアピールしてまいります。また、認定工場を核とした地域の車体整備事業者の連携や協業化を見据えたネットワーク化を構築し、慢性的な自動車整備士の人材不足で大掛かりな車体整備の対応が難しい事業場の代替え対応や電子デバイスや超高張力鋼板の修理や整備に対応した事業場の設備、工具などの投資が最小限になるような施策をして地域と車体整備業界の活性化を図ってまいります。また、令和5年は、大手自動車整備業者による保険金の水増し請求など、整備をめぐる不祥事が明るみになりました。当連合会においては、前述の「先進安全自動車対応優良車体整備事業者」の認証取得の促進に加え、コンプライアンスチェックシートを活用し管理体制の構築、強化に努め、カーユーザーの信頼回復に繋げてまいります。
 令和5年から始動した活動として、保険会社との団体交渉があります。現時点では未だ準備段階ではありますが、各方面の協力を取り付け、連合会として価格交渉を開始できるよう尽力してまいります。
 経営委員会では、「先進安全自動車対応優良車体整備事業者」認定工場1000事業場を目指して周知・啓蒙活動を続けてまいります。
 教育委員会では、「高度化車体整備技能講習」を年度ごとにテーマを定め、車体整備士の再教育プログラムとして車体整備に対応した知識や技能のスキルアップを目的として、3000人受講を目標に啓蒙してまいります。令和6年度はEVをテーマに実施予定です。
 技術委員会では、一般社団法人日本溶接技術センターとタイアップした資格「SN-1F」の周知活動を行い、組合員の溶接スキルアップに努めてまいります。
調査研究委員会では引き続きレバーレート、廃棄物、材料代の3つのテーマを掲げ調査研究に取り組んでまいります。令和5年より、廃棄物をテーマに専門委員会を立ち上げ、各方面の有識者から指南を受けながらSDGs宣言をするべく活動しています。
 広報委員会では、日車協連ホームページや日車協連WEBニュースを活用し、連合会としての活動内容や業界の動向をステークホルダーに発信してまいります。また、DX化の取り組みとして役員、委員会の一部で試験的にファイル共有サービスを導入し使用しています。
 これらの課題を推進していくために、各委員会の活動を活発化させるとともに、会員所属組合員の皆様の当連合会の事業活動へのご理解とご協力を賜りますようお願いいたします。
 最後に、新しい年が皆様にとって希望に満ちた素晴らしい一年になりますよう、お祈り申し上げます。

日本自動車車体整備協同組合連合会
会 長 小倉 龍一