ベッピー情報(令和2年1月号)

日車協連からのお知らせ

2020年 年頭所感

日本自動車車体整備協同組合連合会
会  長     小 倉 龍 一 

    
あけましておめでとうございます。

2020年の新春を迎えるにあたり、所信の一端を申し述べさせていただきます。我が国の経済状況は、輸出や生産の一部に弱さがあるものの、雇用・所得環境の改善が続き、企業収益が高水準で推移し、政府の発表ではゆるやかな景気回復と表現されています。また、昨年の消費税率引き上げの影響により、消費者物価(総合)は前年比で上昇すると見込まれています。
賃上げにより個人消費の底上げが行われ、景気の下支えになるとも予想をされていますが、一方で東京オリンピック閉幕後の景気の失速も懸念されています。
このような状況の中で、自動車産業は「100年に一度の大変革期」と言われ久しくなります。
自動車の構造・機能・素材の進化・電子デバイスの大量採用は、今までの常識では計り知れないほどの速さで変化しています。とりわけASV車(先進安全自動車)の普及には目を見張るところであります。

また、我々車体整備事業者を取り巻く環境は、特定整備認証制度の創設への対応をはじめ、働き方改革、人材不足等の問題に直面しているところであります。
特定整備認証制度については、今年度施行されることが予想され、連合会といたしましても、

組合員事業所がスムーズに取得できるような取り組みをしてまいります。また、取得が困難な事業所に対し、何らかの方策・対策を考えてまいります。

ただいま、連合会の委員会では、委員長を中心に活発な活動をしております。
教育委員会では、平成29年度から国土交通省後援事業であります「高度化車体整備技能講習」の定期的な開催をはじめ、今年度は自動車整備士の二種養成施設における指導者(講師)の育成に着手いたしました。また、技術情報誌「スキルレポート」の誌面の刷新にも取り組んでまいります。

経営委員会では、「先進安全自動車対応優良車体整備事業者」の認定事業者数の目標を1000社に掲げ、会員様のご協力の元で認定事業者数を増やしていきたいと思っております。また「プラグ溶接」の認定制度の研究にも着手したところであります。

広報委員会では、日車協連のホームページの刷新に着手しております。車体整備業界・連合会を積極的にアピールし、対外的なイメージアップを図れるようなホームページを構築してまいります。また、「先進安全自動車対応優良車体整備事業者」「高度化車体整備技能講習」をアピールする小冊子、人材確保へアプローチした小冊子の制作にも取り組んでまいります。

塗装委員会では、環境問題への対応として、大気汚染防止法に基づく揮発性有機化合物(VOC)の排出削減についてのフォローアップ調査を行い、引き続き自主行動計画を見直しながら取り組みを進めます。また、塗装委員会内に「技術部会」を立ち上げ、経営委員会と協調して「プラグ溶接」の認定制度の構築をしてまいります。

調査研究委員会では、レバレートの算出方法の研究、産業廃棄物の現状調査に着手いたしました。また、自動車盗難等の防止に関する官民合同プロジェクトチームに参画するなどして、自動車盗難防止対策への協力に努めてまいります。

一方、業界の向上活動としては、あらゆる業界において若い人材の確保、事業の継承が大きな課題となっており、次代を担う青年部会の若い世代の想像力と行動力に期待をしつつ、組織運営に関する意見交換をするなど、青年部会の事業活動に協力支援してまいります。

これらと並行して国土交通省の「自動車整備人材確保・育成推進協議会」に参画し、人材の確保・育成に努めてまいります。
これらの課題を推進していくために各委員会の活動を活発化させるとともに、会員所属組合員の皆様の当連合会の事業活動への積極的なご協力とご支援を賜りますようお願いいたします。

最後に、新しい年が組合員の皆様にとって希望に満ちた素晴らしい一年になりますよう、お祈り申し上げます。  


年頭の辞

国土交通省 自動車局次長
江坂 行弘

令和2年の新春を迎えるにあたり、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。

昨年も台風 15 号、19 号などによる大きな自然災害に見舞われました。あらためて被害を受けられた方々に心からお見舞い申し上げます。

本年も国土交通省としましては、国民の安全と安心を守り、環境と調和のとれた「くるま社会」の実現に向けて、近年の自動車技術の進展にも対応し、自動車技術行政の各種施策の推進に不断の努力を続けて参ります。

1.自動車の安全対策の推進等
昨年 11 月末時点の交通事故発生状況は、前年同期と比較すると発生件数、死者数及び負傷者数のいずれも減少していますが、未だ年間約3千人の方がお亡くなりになるなど、依然として深刻な状況です。特に死亡事故全体に占める 65 歳以上の高齢運転者による死亡事故の割合は年々増加傾向にあり、悲惨な重大事故が多発したこともあって高齢運転者による交通事故は社会問題として大きく注目を浴びています。

このため、自動車局では、世界一安全な道路交通を実現するべく、平成 28 年3月に政府として取りまとめた「第 10 次交通安全基本計画」に基づき、引き続き、車両安全対策や事業用自動車の安全対策などの施策を推進して参ります。

(1)車両安全対策
車両安全対策については、平成 27 年6月に取りまとめられた交通政策審議会自動車部会報告書に基づき、「平成 32 年(令和2年)までに車両安全対策により交通事故死者数 1,000 人削減(平成 22 年比)」の目標達成に向けて、対策を着実に推進して参ります。

高齢運転者による交通事故防止については、平成 29 年3月の関係省庁副大臣会議における中間取りまとめを踏まえ、本年中に衝突被害軽減ブレーキの新車乗用車搭載率を9割以上とする目標を掲げ、衝突被害軽減ブレーキ等の先進安全技術を搭載した「安全運転サポート車(サポカーS)」の普及啓発を図っており、昨年は、乗用車の衝突被害軽減ブレーキの国際基準の策定や衝突被害軽減ブレーキ性能評価・公表制度に基づく評価結果の公表に取り組んできました。

本年は、以上の取組みに加えて昨年4月に東京都豊島区で発生した高齢運転者による交通事故等を踏まえ、同年6月の関係閣僚会議において「未就学児等及び高齢運転者の交通安全緊急対策」が取りまとめられたことを受け、乗用車被害軽減ブレーキ国際基準の国内取入れによる装着義務付け、新車及び後付けのペダル踏み間違い急発進抑制装置の性能認定制度の創設などの、緊急対策に盛り込まれた施策を着実に実施し、安全運転サポート車や後付けの装置の一層の普及をさらに促進し、高齢運転者の事故防止に取り組んで参ります。

また、このような先進安全技術は、事故防止に役立つ一方で、あらゆる事故を防ぐものではなく、機能には限界があります。このことをユーザーが正しく理解し、過信することなく、常に安全運転を心がけて頂くことが重要であることから、引き続き、過信防止を目的とした広報・啓発 等の取り組みを進めて参ります。

先進安全自動車(ASV)の開発・実用化推進については、第6期計画のテーマである「自動運転の実現に向けたASVの推進」に向けて、ラストマイル自動運転車両システムやドライバーモニタリングシステムの技術的要件の検討等に取り組んで参ります。トラック・バス等の大型車についても、引き続き、税制面、予算面の措置を通じ、衝突被害軽減ブレーキ、ドライバー異常時対応システム、可変式速度超過防止装置等の先進安全技術の導入促進を図って参ります。

さらに、自動車アセスメントにつきましては、衝突安全性能と衝突被害軽減ブレーキなどの予防安全性能の評価を別々に行っておりましたが、令和2年度よりそれらを統合した評価とし、安全性の高い自動車の情報を自動車ユーザーによりわかりやすく伝えて参ります。

(2)事業用自動車の安全対策
事業用自動車による交通事故件数及びその死傷者数はともに減少傾向にあるものの、平成 28 年1月の軽井沢スキーバス事故など重大事故が発生する等、事業用自動車による事故の現状は依然として深刻な状況にあります。国土交通省としては、「事業用自動車総合安全プラン 2020」で掲げる事故削減目標(2020 年までに事業用自動車の事故による死者数 235 人 以下、事故件数 23,100 件以下、飲酒運転ゼロ)の達成に向け、「利用者」を含めた関係者の連携強化による安全トライアングルの構築をはじめとした各種施策を着実に推進し、安全・安心の確保に万全を期して参ります。

働き方改革関連法が施行され、長時間労働の是正については、政府一丸となって取り組んでいるところ、国土交通省では、自動車運送事業における運転者の長時間労働の是正に向けて、昨年6月、運送事業者における適切な運行管理等に役立つICTを紹介するガイドブックを策定いたしました。国土交通省としては、本年も引き続き、運転者の長時間労働の是正及び過労運転による重大事故の防止に取り組んで参ります。

また、健康起因事故対策については、一昨年策定した「自動車運送事業者における脳血管疾患対策ガイドライン」に続き、昨年7月、心臓疾患・大血管疾患対策ガイドラインを策定いたしました。これらのガイドラインの活用により、スクリーニング検査等による疾病の早期発見や疾病運転の防止を運送事業者に働きかけ、輸送の安全の確保を図って参ります。

(3)自動運転
自動運転の実現に向けた取組みについては、平成 28 年に「国土交通省自動運転戦略本部」を設置し、①自動運転の実現に向けた環境整備、②自動運転技術の開発・普及促進、③自動運転の実現に向けた実証実験・社会実装のために必要な施策に取り組んでおります。

例えば、「自動運転の実現に向けた環境整備」については、レベル3及び4の自動運転車の安全確保を図るため、昨年5月に「道路運送車両法の一部を改正する法律」が成立し、国が定める安全基準の対象装置に「自動運行装置」を追加いたしました。本年4月の本改正法の施行を目指し、この安全基準の策定に取り組んでいるところです。
また、自動運転の分野において、我が国の優れた技術を世界に展開するべく、国際的な自動運転に係る安全基準策定 について、引き続き我が国が国連自動車基準調和世界フォーラム(WP29)において議論を主導して参ります。さらに、本改正法において新たに創設することとされた、自動運行装置等に組み込まれたプログラム改変による改造等に係る許可制度については、本年秋頃の施行に向 けて、国際的な議論を踏まえつつ、制度整備に向けた検討を着実に進めて参ります。
「自動運転の実現に向けた実証実験・社会実装」については、最寄駅から自宅や病院までの最終目的地を自動運転による移動サービスでつなぐ「ラストマイル自動運転」の実現に向けて、地元の運行事業者による6か月程度の長期のサービス実証を進めているほか、中型自動運転バスを使用した実証実験の来年の実施に向け、車両開発を進めてまいります。また、物流の生産性向上に資するトラック隊列走行実証実験については、昨年1月より後続車無人システム(後続車有人状態)の公道実証を開始しており、今年度は多様な環境下(トンネル内、夜間等)で長期間・長距離の公道実証に取り組んでいるところであり、「高速道路において 2020 年度 に技術的に実現する」との政府目標の達成に向け、更なる技術開発を進めて参ります。

(4)自動車の検査・整備制度
近年、被害軽減ブレーキ等の先進技術が急速に普及している状況を踏まえ、これら先進技術に対応した点検整備を的確に行うための「特定整備制度」を本年4月の施行する予定としております。制度の施行に向けた準備を加速するとともに、これまで自動車整備技術の高度化検討会において取り組んでおりましたスキャンツール(外部診断装置)の機能拡大や整備士に対する新技術の教育についても、引き続き推進してまいります。これに加え、整備事業者が先進技術に対応する体制を整えるため、引き続き汎用スキャンツールの購入補助に取り組んで参ります。

昨年3月にとりまとめを行いました車載式故障診断装置(OBD)を活用した検査手法についても、予定通り令和3年以降の新型車を対象に令和6年から開始ができるよう、関係団体の皆様のご意見も踏まえつつ、準備を進めて参ります。

このほか、自動車技術総合機構及び軽自動車検査協会の保安基準適合性審査における 検査機器の判定値設定に係る不具合事案が再発しないよう、自動車技術総合機構及び軽自動車検査協会と連携し、徹底した再発防止対策の確実な実施に全力で努めて参ります。
無車検車対策については、車検切れとなっている車両のユーザーにハガキを送付し注意喚起の通知をする他、街頭においては、警察との連携により、可搬式のナンバー自動読み取り装置を用いた無車検運行車両の捕捉を実施し、現場において運転者を直接指導することにより是正を図っているところです。
加えて、指定自動車整備事業者によるペーパー車検などの不正行為が依然として発生していることから、より一層の指導監督の徹底を図り、特に悪質な違反に対しては厳正に対処することとしております。
また、認証を取得せずに分解整備事業を行っている、いわゆる未認証事業者に対しては、引き続き、情報収集・調査を行い、指導を強力に実施して参ります。

(5)自動車の適切な維持管理
自動車の適切な維持管理には、ユーザーの自己責任による取り組みが不可欠ですが、自動車の使用期間の長期化が進む中、バス火災や大型自動車の車輪脱落など、点検・整備を行うことで防止ができる事故が依然として発生しております。
このため、国土交通省では、本年も、関係各位の協力を得ながら「自動車点検整備推進運 動」を全国的に展開し、ユーザーに対して、マスメディアを通じた広報や点検フェスティバルなどのイベントにより点検整備の必要性や重要性を啓発することで、適切な保守管理の徹底を図って参ります。
特に、大型車の車輪脱落事故については、大事故につながる危険性が高いことから、事故発生原因の徹底究明と抜本的な事故防止対策の策定に努めてまいります。また、「不正改造車を排除する運動」を展開し、警察との連携強化を図り効果的な街頭検査を実施することで、悪質な不正改造車を公道から排除して参ります。

(6)自動車整備業の人材確保・育成及び生産性の向上自動車の安全確保・環境保全のためには、自動車の進化に伴い、これまで以上に高度な 技能や知識を持った自動車整備士が不可欠である一方、平成 30 年度には自動車整備要員の有効求人倍率が 4.46 倍に達するなど、近年の人手不足は深刻なものとなっています。このため、国土交通省としては、平成 26 年4月に設置された自動車関係 16 団体からなる「自動車整備人材確保・育成推進協議会」と協力し、高等学校訪問やインターネット等を活用した情報発信のほか、低学年を対象とした体験型の出前講座の開催等により、引き続き自動車整備の魅力を伝えることで人材確保へ繋げて参ります。
加えて、外国人材の受入れ制度である外国人技能実習制度や特定技能制度についても、引き続き、適正に運用して参ります。 また、先進技術に対応した整備に係る講習や人材確保セミナーの開催等、各地域の整備 事業者が主体的に連携し、課題の解決に取り組むことができるよう、積極的に支援して参ります。

生産性の向上については、平成 29 年度に中小企業経営強化税制が創設され、自動車整備業等を経営する中小企業者等は、中小企業等経営強化法に基づき、経営力向上計画の認定を受けて、一定の機器・設備等を購入した場合、即時償却又は税額控除を受けることができます。国土交通省としては、機器・設備導入による生産性向上事例や、工賃・部品流通など事 業環境に関する調査を引き続き実施し、好事例の展開や制度への反映を順次進めて参ります。

(7)リコールの迅速かつ着実な実施
自動車のリコール制度については、その着実な実施を図るため、引き続き、「自動車不具合情報ホットライン」の周知や、自動車技術総合機構と連携した不具合情報の収集や調査分析に取り組んで参ります。
また、タカタ製エアバッグについては、ガス発生装置が異常破裂し、金属片が飛散する不具合が発生しているため、関係する自動車メーカーが平成 21 年以降リコールを実施するとともに、平成 30 年 5 月より、異常破裂する危険性が高い未改修車に対して、 車検で通さない措置を講じております。
その結果、これまで車検で通さなかった件数は35,397 件(平成 30 年5月~令和元年 10 月の概算値)に上り、昨年 10 月時点の改修率 は 95.9%まで改善しております。

その一方、この措置の開始から時間の経過とともに、国内で異常破裂したエアバッグと同じタイプを搭載した車両において、生産から実際に異常破裂した経過年である 9 年以上経ったものが追加的に生じることから、前回の措 置と同様、これらを順次、車検で通さない措置の対象とすることを予定しております。
本年も国土交通省としましては、関係者と協力し、ユーザーへの周知徹底を図ることにより、リコール改修の一層の促進を図るとともに、本措置の導入によるユーザーや整 備事業者の負担軽減を図るため、自動車メーカーに対して適切に対応するよう指導して参りますので、ご理解とご協力を賜りますよう宜しくお願い致します。

(8)自動車型式指定制度における適切な完成
検査の確保型式指定車の完成検査については、平成 29 年の秋以降、複数の自動車メーカーにおいて、任命されていない者による完成検査の実施や、燃費及び排出ガスの抜取検査の測定データの書き換えなど、不適切事案が相次いで判明しました。 このため、国土交通省においては、「適切な完成検査を確保するためのタスクフォース」の 中間とりまとめを踏まえ、完成検査の記録を書き換え不可とする措置の義務化や勧告制度の創設等を内容とする平成 30 年 10 月の省令改正に加え、昨年5月には道路運送車両法の一部を改正し、完成検査における不適切な取扱いに対する是正措置命令等の創設と、当該命令等を行うための報告徴収・立入検査に対する虚偽報告等に適用される罰則の強化を行ったところです。国土交通省としては、これらの改正法令等に基づく効果的な監査の実施や経営層等に対する取組状況の聴取等に取り組むことを通じ、適切な完成検査の確保に努めて参ります。
また、昨年 10 月の未来投資会議において、デジタル技術の社会実装を踏まえた規制の精緻化の一環として「AI を活用した完成検査の精緻化・合理化」に取り組むこととされたところです。国土交通省としては、昨年 12 月に閣議決定された補正予算の活用も念頭に置きつつ、AIを活用した完成検査の自動化の促進に向けた実証実験の取組みを着実に進めてまいります。 2.自動車の環境対策大気汚染や地球温暖化対策の一環として、ガソリン車やディーゼル車について、世界各国が将来的な規制方針を発表するなど、自動車の脱化石燃料・電動化の動きが世界的に加速しています。
一方、日本は、2030 年度に 2013 年度比で温室効果ガスを 26%削減する目標を掲げており、この目標達成には、我が国のCO2排出量の約2割を占めている運輸部門、とりわけ、その大宗を占めている自動車分野の低炭素化が不可欠です。政府としても、「成長戦略フォローアップ」において、2030 年までに乗用車の新車販売に占める電気自動車等の次世代自動車の割合を5~7割とする目標を掲げております。
また、昨年6月に閣議決定された「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」において は、2050 年までに 2010 年比で、世界で供給する日本車1台当たりの温室効果ガスの8割程度削減を目指すこととしております。 このため、国土交通省としましても、これら目標の達成に向けて、環境に優しい自動車の 開発・普及促進等の各種の施策に取り組んで参ります。

(1)環境に優しい車の開発・普及促進
自動車単体の燃費向上に関しては、交通政策審議会自動車燃費基準小委員会において、2030 年度乗用車燃費基準のとりまとめを行いました。この結果を踏まえて、本年3月末までに法令改正を行う予定としており、引き続き燃費性能の優れた自動車の更なる普 及を推進して参ります。
また、低炭素化、排出ガス低減等の観点から、ディーゼルエンジンの高効率化、大型車の電動化等の次世代大型車関連の技術開発・実用化促進を図る調査研究を産学官連携で進めて参ります。
さらに、環境性能に優れた車両の普及を図るため、引き続きエコカー減税などの政策税制や、燃料電池タクシー、電気バス・タクシー・トラック、ハイブリッドバス・トラック等の導入補助等による支援を推進して参ります。

(2)自動車排出ガス対策・騒音対策の推進自動車排出ガス対策については、これまでも全ての車種において世界最高水準の排出ガ ス規制を実施してきました。最近の対策としては、平成 29 年5月にとりまとめられた、中央環境審議会答申「今後の自
動車排出ガス低減対策のあり方について」(第 13 次答申)を踏まえ、ガソリン直噴車へのPM排出規制の導入、二輪車の排出ガス規制を欧州の規制(EURO5)と調和するなどの基準改正を行い、令和2年 12 月から順次適用することとしました。
今後も、大気環境の保全のために必要な取り組みを進めて参ります。

3.自動車の安全・環境基準の国際調和及び認証の相互承認の推進
自動車基準・認証分野の国際展開につきましては、「成長戦略フォローアップ」に沿って活動を進め、乗用車をはじめとする国際基準調和の進捗など着実に成果を上げてきました。今後、更なる成果を上げるため、各種の施策を実施して参ります。
昨年のWP29 では、自動運転の国際ルールに必要となる「自動運転のフレームワークドキュメント」が合意され、乗用車等の衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)や大型車の側方衝突警報装置(BSIS)の国際基準が採択されるなど、日本が策定を主導してきた国際基準等が成立しているところです。引き続き、フレームワークドキュメントに基づく自動運転技術の他、車両近接における運転視界、乗用車等の国際調和排ガス・燃費試験法(WLTP)、国際調和路上走行試験法(RDE)等に関する具体的な国際基準の策定を日本が主導して進めて参ります。
さらに、新興国の国連協定への加入、国際的な車両認証制度(IWVTA)の導入を促進し、WP29 を真に国際的な会議体へ変革させるための中心的な役割を果たして参ります。特に、ASEAN諸国に対しては、交通環境実態を踏まえた適切な施策の導入等を促進するための協力もより一層加速して参ります。

4.技術政策課及び環境政策課の組織再編
現在、国土交通省自動車局では、自動車技術関連業務を「安全」と「環境」という切り口で捉えて組織を構成しています。一方、近年の自動車技術の革新は目覚ましく、新技術を搭載した新たなモビリティが登場してきており、交通事故削減や地球温暖化対策の観点を踏まえつつ、高齢者等の移動手段の確保や国際競争力の強化に向けた総合的な検討、自動運転の早期実用化に向けた環境整備等が喫緊の課題となっています。
このような状況を踏まえ、令和2年4月より、「技術政策課」及び「環境政策課」を、車両の 安全確保及び環境保全に係る施策の総合的・戦略的な企画・立案を主に所掌する「技術政策課」と車両の技術基準の策定を主に所掌する「安全・環境基準課」に再編します。これにより、総合的に勘案した政策立案や国際基準を含めた技術基準の策定等をより一層推進し、日本社会が直面する様々な課題の迅速な解決を進めて参ります。

5.自動車情報関連施策の推進
(1)OSSの推進及び自動車検査証の電子化自動車の保有関係手続きをオンラインで一括して行うワンストップサービス(OS S)については、対象手続の拡大と導入地域の順次拡大を進めており、令和元年 5 月より軽自動車の継続検査についても全国でOSS申請が可能となりました。引き続きOSSの利用に関する周知活動を強化するなど、更なる利用促進を進めてまいりたいと考えております。

また、平成 30 年9月に立ち上げた「自動車検査証の電子化に関する検討会」における自動車検査証の電子化に向けた議論を踏まえ、昨年5月に「道路運送車両法の一部を改正する法律」が成立し、自動車検査証の電子化のための制度が整備されました。

具体的には、継続検査等の際に、OSS申請を行ってもなお必要な自動車検査証受取りのための運輸支局等への来訪を不要とするため、①自動車検査証をICカード化すること、②国からの事務の委託制度を創設すること等の関係規定が盛り込まれており、OSSの充実・拡充に資する内容となっております。自動車検査証のICカード化については、2023 年1月を想定し、ICカードの設計・開発、自動車の検査・登録業務に用いるシステムの改修等の準備を進めているところです。
また、ICカード化された自動車検査証のICチップの空き領域については、民間等においても活用いただくことを想定しており、具体的な利活用方策について、「自動車検査証の電子化に関する検討会」において検討しております。 OSSは、行政事務の効率化のみならず、申請者の方々の負担軽減に資するものと考えており、今後も、その普及を進めていくこととしていますので、ご協力の程宜しくお願い致します。

(2)図柄入りナンバープレート
図柄入りナンバープレートについては、平成 30 年 10 月より交付している地域の風景や観光資源などを図柄とした地方版図柄入りナンバープレートにおいて、既存の 41地域に加え、新たな地域名表示による 17 地域の図柄入りナンバープレートの交付を本年5月頃より開始する予定であり、「走る広告塔」として地域の魅力を発信し、地域振興が図られるよう一層の取り組 みを進めて参ります。

また、本年は東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会開催の年となりますので、大会成功に貢献できるよう、東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会特別仕様ナンバープレ ートについて、更なる普及促進に取り組み、大会機運を盛り上げて参ります。これらの諸施策の実行に当たっては、国民各位、関係者の皆様のご理解ご協力が不可欠です。

本年も、自動車技術行政に格別のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆様にとって明るい年となるよう祈念しまして、ご挨拶とさせて頂きます。


第2回車体整備記録簿に関する意見交換

第2回車体整備記録簿に関する意見交換が1月16日、日車協連にて開催されます。


令和元年度第3回正・副会長会議

(令和元年度第3回正・副会長会議が1月17日、日車協連にて開催されます。


第78回経営・第94回教育委員会

第78回経営・第94回教育委員会が1月17日、日車協連にて開催されます。


共同購買情報

(株)公論出版の新刊書籍のご案内

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各種会議及び委員会開催日程

令和2年1月以降に決定されている会議日程です。